子犬に仰向け抱っこは本当に必要?リラックスポジションって効果あるの?




子犬育て

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今回は子犬の「仰向け抱っこ」のお話です。

 

 

仰向け抱っこ、今では「リラックスポジション」なんてもっともらしいことを言われて、
子犬をお迎えしたらやってあげるといいなんて言われてますね。

瀧沢かいるー
瀧沢かいるー

子犬をお迎えしたら毎日必ず、子犬が落ち着いて抱っこされるようになるまで続けなさい、
なんて言うトレーナーや獣医師もいまだに多いです。

 

わたしも、パピークラスのトレーナーや、初診で行った動物病院の獣医さんに、
同じことを言われました。

 

トレーナーは「上下関係のため」、獣医さんは「診察を楽にするため」という理由だったけど、
どちらも犬には必ず必要って考えでした。

 

犬の専門家と言われる人たちが言うと、「そうか、そういうものなのか」って深く考えもしないで、
やってしまう飼い主さんは多いでしょう。

 

 

でも、仰向け抱っこって本当に必要なんでしょうか?

 

そして本当に、仰向け抱っこで子犬はリラックスするんでしょうか。

 

瀧沢かいるー
瀧沢かいるー

結論から言うと、答えはどっちも「NO」です。

 

それでは詳しくお話していきましょう。

 

 

仰向け抱っこはなぜ必要?

わたしはパピークラスのトレーナーから、
「毎日2時間、もしくは子犬が寝るまで仰向け抱っこをやって下さい」
って言われました。

 

瀧沢かいるー
瀧沢かいるー

常識的に考えて、2時間って…そんなの無理じゃんね?

 

 

そんなに時間かけられないし、同じ2時間かけるなら仰向け抱っこじゃなくって、
外に出かけて公園とか河原とか、のんびり歩いたほうが有意義だし
よっぽど犬のためになります。

 

なんでトレーナーも獣医も、口を揃えて「仰向け抱っこは必要」「必ずやるべき」って言うんでしょうか?

 

それぞれの視点から考えてみました。

 

「上下関係」を作るため

まずトレーナーの考えでは、やっぱり犬との「上下関係」を築くために必要なことだから、
っていうのが一番の理由なんだと思います。

 

瀧沢かいるー
瀧沢かいるー

犬に関する上で最も大きな間違いの一つだと思ってるんですけど、
なぜかいまだに「お腹を見せる=服従の姿勢」と思い込んでるトレーナーや飼い主は多くいます。

 

パックリーダー論信者はもちろん、パックリーダー論というものを知らない一般の飼い主さんでも、
何となくこのことは知っていて、そして信じてしまっているってことが多いんです。

 

つい最近発売されたばかりの新しいしつけ本でも、「お腹を見せているのはあなたをボスと認めている証拠」
なんて書かれているから、何も知らずにこれを読んだ初めて犬を飼うような人は、
そういうものなのか、と信じてしまってもおかしくはありません。

 

でも、今までもブログで何度も何度も言って来たように、これは大きな間違いです。

 

お腹を見せるっていうのは犬のカーミングシグナルの一つではあるけど、
決して「あなたをボスと認めます」という意味ではないんです。

 

瀧沢かいるー
瀧沢かいるー

どちらかっていうと「落ち着いて」という意味の強めのサインで、攻撃的な相手を落ち着かせる時に使うことが多いです。

 

なので、怒鳴っていたり感情を高ぶらせている人間の飼い主にもこれをよくやります。

 

厳しい口調で命令したり、強制トレーニングの最中にも「怖くしないで」「もうやめて」の意味で使うことがあるのだけど、
それをパックリーダー論に洗脳されたトレーナーたちは自分の都合のいいように「自分をボスと認めたのだ」と解釈してしまうんです。

 

そり犬や人間に飼育されているオオカミなどのように、意図的に作られたイヌ族の群れの中では
明確な上下関係が作られるそうなので、そういった場合に相手にお腹を見せて秩序を確認するってことはあるでしょう。

 

でも、人と家の中で暮らしている犬が人間や他の犬に対して行う場合は「落ち着いて」という意味が強いんです。

 

飼い主の前でゴロゴロお腹を出すのは、喜びを表すためだったり、リラックスしてくつろいでいるってこともあります。

 

もし、怒っている時に愛犬がお腹を見せたのだとしたら、それは「怒らないで」「落ち着いて」
といった意味であなたをなだめようとしているんです。

 

決して「あなたをボスと認めます」って意味ではありません。

 

お腹を見せることは服従のサインではないなら、トレーナーたちが言うように、
毎日2時間も子犬が寝るまで仰向け抱っこをしても意味がないってことですね。

 

診察を楽に出来るようにするため

とある獣医は、仰向け抱っこを「診察や治療を十分に行うために必要だ」と言いました。

 

子犬のうちから全身を触られたり、治療を受け入れるように育てることが必要で、
何よりそれは飼い主の責務だそうです。

 

瀧沢かいるー
瀧沢かいるー

その点では同意できるけど、そこでなんで仰向け抱っこが必要ってなるんでしょう。

 

拘束されることを受け入れる子にするため、とのことだけど、
わたしにはこれ本末転倒のような気がします。

 

仰向け抱っこはただでさえ犬にとってはされる意味がわからず、苦痛なものです。

 

仰向け抱っこの状態で全身を触って、どこを触られても平気にするとのことだけど、
仰向け抱っこの時に全身触られたら、嫌なことにさらに嫌なことの上塗りで、
犬は仰向け抱っこも触られることも大嫌いになってしまいます。

 

必要がないのに、執拗にあちこち触っていてはかえって触られることが嫌いになるし、
仰向け抱っこで拘束され続けていたら病院で保定されるのだって嫌がるようになって、
もしかしたら噛みつくようにだってなるかもしれません。

 

それよりも、普段から必要ないのに触ったり押さえつけたりしないで、
余計なストレスを与えないようにして、心に余裕を持たせてあげていれば、
本当に必要な時には触らせてくれるようになります。

 

獣医さんが言うように、診察のために仰向け抱っこをするっていうのは本末転倒で、
かえって診察出来ない犬にしてしまう可能性があるんです。

 

 

リラックスポジション?

最近では仰向け抱っこではなく、犬をリラックスさせるための「リラックスポジション」なんて言われてますよね。

 

瀧沢かいるー
瀧沢かいるー

陽性強化を謳うしつけ教室でもおやつを使いながらやるようになってますね。

 

リーダーになるためではなく、どちらかというと獣医さんに言い分に近くて、
お手入れに慣れさせたり、興奮している子犬を落ち着かせるためにやるんだそうです。

 

このやり方だと、仰向け抱っこして子犬が力を抜いたらご褒美をあげます。

 

嫌がるからとやめてしまうと、暴れたら解放してもらえると犬が学習するから、
力を抜くまで押さえつけたままにするというので、結局はリーダーになるための仰向け抱っこと、
建て前は違うけどやってることは同じです。

 

瀧沢かいるー
瀧沢かいるー

どっちも、犬が嫌がることを無理強いしてるということに変わりありません。

 

 

本当にリラックス出来るのか?

そもそも、リラックスポジションと言われているけど、それをやって犬たちは本当にリラックス出来ているんでしょうか?

 

動画を2つご紹介します。

 

柴犬の子犬の例

まずは、黒柴の子犬ちゃんの例です。

 

 

冒頭の説明によると今まで何度か仰向け抱っこをされてきているようだけど、
いまだに慣れないで苦手とのことです。

 

問題を書き出してみました。

 

まず、動画開始20秒くらいに、飛びついてきた子犬に対して膝をつきだし、
押しのけるような動作をしています。

 

瀧沢かいるー
瀧沢かいるー

見方によっては蹴ろうとしているようにも見えます。

 

この時点であり得ません。

 

飛びついてきた子犬に対しては、背を向けるカーミングシグナルで対処すべきです。

 

 

動画開始から1分10秒くらい、説明が終わって仰向け抱っこが始まるけど、
子犬が嫌がってるのを無理やり押さえています。

 

子犬は必死に身をよじって暴れていて、舌をペロッとする仕草も見られます。

 

トレーナーは「力が抜けて身を任せられるようになるのが重要」って言ってるけど、
そんなのは犬に「諦めろ」って言ってるようなもんです。

 

瀧沢かいるー
瀧沢かいるー

諦めた犬は無気力になって虚ろな目で仰向け抱っこをされているのを
動画で時々見かけるけど、本当に可哀そうでなりません。

 

仰向け抱っこが始まった子犬ですが、顔はひきつって緊張し、
目はせわしなくキョロキョロして体からは全く力が抜けてません。

 

後ろ足を触ろうとすると嫌がって逃げようとしているのに、無理矢理触ってます。

 

足は犬にとって敏感な部分なので、不用意に触るべきじゃないし、
動画のように無理に伸ばすのは間接を痛める恐れがあるので絶対にやっちゃいけないことです。

 

褒めている時の高い声もとにかく不快です。

 

瀧沢かいるー
瀧沢かいるー

犬は高い声のほうが喜ぶと言われてるけど、本当はすごく不快だし、
ただ興奮させるだけで喜んではいないんですよ。

 

褒めているつもりでマズルを触ってるんだろうけど、触り方が雑すぎます。

 

動画開始4分10秒、爪切りの練習を始めてるけど、爪切りを持った手に
子犬は噛みつこうとしています。

 

仰向け抱っこという嫌なことをされているのに、そこへさらに爪切りという嫌なものが登場して、
これは見ていて本当に可哀そうだしもはや拷問です。

 

慣れさせると言う名目であっちこっち触りまくってるけど、触り方がとにかく雑だし、
マズルをあんな風に触られたら噛みつくようになる可能性もあります。

 

口を無理やり開けられた時に指を噛んでいるのもわかります。

 

動画開始から6分、子犬も本当に嫌になって暴れ始めるんだけど、
それをまた抑え込んでいて、最後に無理矢理抑え込まれた時は恐怖の表情を浮かべています。

 

瀧沢かいるー
瀧沢かいるー

動画が終わるまで終始カーミングシグナルのオンパレードで、
落ち着かずに逃げようとしているし、これのどこが「リラックスポジション」なんでしょうかね。

 

柴犬は特に繊細でストレスに弱い犬種なので、こんなことされてたら
ひどい噛みつきが出て来るまでにそう時間もかからないでしょう。

 

アメリカンコッカーちゃんの例

次はアメリカンコッカーちゃんの例です。

 

リラックスポジションが始まるのは動画開始3分くらいからです。

 

 

柴の子犬よりは落ち着いているけど、やっぱり目はキョロキョロ、舌はペロペロ、
時々白目が見えているし、やっぱり全然リラックスは出来てません。

 

3分34秒、トレーナーの手をペロッと舐めているのはわかります。

 

これは「やめて」の合図です。

 

その後も度々、手を舐めて「やめて」って言ってますね。

 

後ろ足を触られている時、やはり顔がこわばって嫌がります。

 

5分10秒、マズルをつかんでぐりぐりと顔を回されている時に、
さすがに嫌がって逃げようとしているけど、トレーナーは「大丈夫、大丈夫」と抑え込み。

 

瀧沢かいるー
瀧沢かいるー

いったい何が大丈夫なの?

 

褒めている甲高い声も不快です。

 

柴ちゃんの時のトレーナーもそうでしたけど、特に女性は、
やたらと高い声を出して犬を褒めるけど実はけっこう犬に嫌がられています。

 

このコッカーちゃんはけっこう人好きで陽気な性格のようだけど、
やっぱり嫌なことは嫌だって言ってるのにことごとく無視されていて不憫です。

 

リラックスポジションが始まる前のトレーニングでも、終始興奮気味です。

 

こうやってストレスが蓄積されていくともっと興奮がひどくなります。

 

気づいたんですけど、柴ちゃんもコッカーちゃんも仰向け抱っこされている間中、
おやつしか見てませんよね。

瀧沢かいるー
瀧沢かいるー

つまり、おやつがなければ少しも我慢が出来ないってことなんでしょう。

 

今回いくつか動画を見たけど、どれもこんな風に暴れたり逃げようとしているのを
無理矢理抑え込んでるようなものばかりで、精神的に良くない動画ばっかりでした。

 

もしくは、大人しくはしてるけど本当に諦めきった無気力な顔で、
見ていていたたまれない犬たちの動画も多かったです。

 

 

リラックスポジションではリラックスなんて不可能

今回紹介した動画を見ても、ご自分で動画を探してみてもわかると思いますが、
リラックスポジションの状態で寝るまでリラックスなんて到底不可能です。

 

時々、マッサージが上手い飼い主さんがいて、犬が寝てしまうこともあるけど、
それだってわざわざ仰向け抱っこでやることじゃありません。

 

多くの犬は例えマッサージだろうとむやみに体に触られることを好みません。

 

自分の場合を考えてみて欲しいんだけど、他人の足の間にはさまって仰向けになって、
上から顔をのぞきこまれてあちこち触られている状態で、リラックスなんて出来ますか?

 

瀧沢かいるー
瀧沢かいるー

人間のマッサージだって、うつ伏せのことが多いですよね。

 

それを考えたら、あんな状態でリラックスさせるなんて無理なことだってわかるはずです。

 

興奮して走り回っている犬を捕まえて、仰向けにして落ち着かせるというトレーナーもいるけど、
そんなこと繰り返してたら犬は飼い主から逃げるようになるし、
興奮してストレスを感じている犬にさらにストレスを与えても落ち着くわけがないんです。

 

 

どうしても必要ならお願いしてやってもらう

わたしは普段、犬たちが嫌がることは一切しないように気をつけています。

 

はっきりと「嫌だ」と言われてからやめるんじゃなく、少しでも嫌そうな素振りをした時、
例えばちょっと顔を背けるとか、舌をペロッとするとか、軽いカーミングシグナルが見られた時点で、
やっていることをやめてあげています。

 

すると、自分の「嫌だ」が聞き入れてもらえた犬は安心します。

 

安心すると心に余裕が生まれるので、受け入れられることが増えるんです。

 

時々、本当に必要な時に、多少嫌なことをされても平気になります。

 

いつもいつも嫌なことばかりされていると、ちょっとの嫌なことでも「絶対やだ」となるけど、
ストレスなく心に余裕がある状態で、嫌だけど本当に必要なことっていうのは受け入れられるようになるんです。

 

仰向け抱っこも同じです。

 

 

以前、夏場にのんちゃんが血尿をした時に、膀胱のエコーを見るために、
専用のマットの上に仰向けになってもらう必要がありました。

 

看護士さんが無理矢理ひっくり返そうとするのを慌てて止めて、のんちゃんをマットに誘導し、
手をくるんっと回して合図したら、多少嫌な顔はしたけど自分から仰向けになってくれたんです。

 

瀧沢かいるー
瀧沢かいるー

のんちゃん、もう何年も仰向け抱っこなんてしてないんだけど、
それでもちゃんとお腹を見せてくれました。

 

診察の間、大人しくしてることも出来ました。

 

内股をダニに食われて薬を塗る時も、さっと済ませてあげれば大人しくお腹を出してくれています。

 

犬にとって嫌なことというのは無理強いしてさせるものじゃなくて、本当に必要な時に、
お願いしてやってもらえばいいんです。

 

普段から嫌なことをされていない犬は、たまのお願いなら聞いてくれます。

 

「ちょっとごめん、薬塗らせてね」ってお願いしてからやりましょう。

 

瀧沢かいるー
瀧沢かいるー

何も言わないでいきなりやるっていうのは犬に失礼です。

 

動画のようにおやつを使うと、犬も飼い主もおやつに気を取られてしまうので、
犬自身の本当の気持ちが見えなくなってしまうし、飼い主もおやつを使ってるんだから大丈夫だとうと、
犬が嫌がっていることに気づかないこともあります。

 

少したってからおやつを抜いてみたら全く出来なかったといことがほとんどです。

 

動画の2頭も、多分おやつなしでは全く出来ないでしょう。

 

だったら最初から、おやつなんて使わないで、どれくらいなら犬は嫌がらないか、
どれくらいのお願いなら聞いてくれるか、っていうのを見極めることに集中しましょう。

 

そして、仰向け抱っこなんて出来なくても特に問題がないようなことは、
やらないでおいたほうがいいんです。

 

逆に、何もやらないでいたほうが何でもやらせてくれる子になります。

 

犬が日々静かに穏やかに暮らすために、仰向け抱っこもリラックスポジションも必要ないんです。

 

瀧沢かいるー
瀧沢かいるー

無理強いではなくお願いしてからやるというのは、犬の気持ちを尊重する上でとっても大事なことですよ。

【犬の気持ちを理解するについて詳しくはコチラ】
「犬の気持ち」を理解するってどういうこと?理解するにはどうすればいい?
「犬の気持ち」が理解出来たら!その次にやるべきとっても重要なこと

 

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