あなたは「病気がある」とわかってる犬猫をあえて引き取ろうと思えますか?




犬の健康

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さてちょっとこの記事を読んで下さってるあなたにお聞きしたいことがあるんですが。

 

あなたは、病気があるとわかってる犬や猫を、あえて引き取ろうと思いますか?

 

専門学校時代から、ずっと心に突き刺さって忘れられないことがあるんですが
そのことについてお話したいと思います。

 

 

とある子猫のお話

瀧沢かいるー
瀧沢かいるー

犬じゃなく子猫の話なんですけど。

専門学校時代、友人が学校飼育犬の散歩から帰ってきた時に、
子猫を拾って来たことがありました。

 

朝、同じ場所を散歩に行った時もいて、その時は、誰かが拾ってくれるかもしれないと
後ろ髪を引かれながらも、何もしないで帰って来たそうです。

でも、夕方に気になって見に行った時もまだいて、しかもちょっとぐったりしてて、
悩んだ末に連れ帰ってきたんだそう。

 

茶トラの子猫で、見た感じ産まれてから1ヶ月半くらいでした。

母親とはぐれたのか、それとも捨てられたのか、肋骨が浮き出るほどガリガリで、
友人の一人が近くのホームセンターまで走って猫用ミルクを買ってきてくれて、
それを飲ませてあげました。

 

拾ったはいいけど、これからどうするかって話し合ったのですが、
わたしを含めてその場にいた友人3人は学生寮暮らしで、もう一人はペット禁止のアパートでした。

 

瀧沢かいるー
瀧沢かいるー

子猫を飼えるような状況ではなかったんですよね。

 

そこで、講師の一人、A先生に相談しました。

A先生は保護犬のシェルターも運営してる人で、わたしにのんちゃんの引き取りの話を持ってきてくれたのもA先生でした。

事情を話すと、猫は専門外だけど知り合いに猫シェルターをやってる人がいるから、
その人経由で里親を探してくれるとのことでした。

 

学生の少ないお小遣いをみんなで出し合って、せめてものお礼と、里親が決まるまでにかかる費用の足しとして渡し、
子猫はその日のうちにA先生に連れ帰られていきました。

A先生なら安心だねと、ほっとしたのを覚えています。

 

それから10日くらいして、

「あの子猫、里親さん決まって引き取られていったよ」

とA先生から聞きました。

 

 

「てんかんだから」と返されてしまった

でも、それから1週間もたたないうちに、

「あの子猫が里親さん宅から戻ってきた」

とA先生に言われました。

 

里親さん宅で発作を起こし、病院に連れて行ったら「てんかんだ」と言われ、
それが理由だろうとのことでした。

たった数時間とはいえ、子猫を保護してお世話した気になってたわたしたちは、
「無責任だ」
「病気があるから飼えないなんてひどい」
「それならもとから飼うべきじゃない」
なんて怒ってたんだけど、A先生が一言。

 

「じゃあお前たちは、病気があるってわかってる犬や猫を、あえて引き取って飼おうと思うのか?

「・・・」

「ほらな?例えどんなに犬猫好きを自称してても、
病気だってわかってる犬や猫をあえて引き取ろうなんて人、そうそういないんだよ」

 

その言葉は、わたしたちのちっちゃな正義感を、あっという間にズタズタにして、
一生心に突き刺さって忘れられない言葉になりました。

 

結局、A先生のもとに帰ってきた子猫は、それから3日後に亡くなりました。

 

 

犬猫好きが好きなのは「健康な個体」

「てんかん」っていうのは、完治が難しく、一生治らないと言われる病気です。

 

動物病院で研修してた時、一度だけてんかんだという猫の発作を見たことがあるけど、
嘔吐・失禁しながらひどい痙攣をおこして、それはそれは見るに堪えないものでした。

 

聞けば、里親さん宅には小さなお子さんがいたそうです。

お子さんにも相当ショックは大きいだろうし、なにより、小さい子どもがいる家に突然痙攣をおこし、
嘔吐して失禁して、部屋を汚す猫をおいておきたいとは、親なら思わないでしょう。

 

ずっと家で飼ってて、家族として過ごしてきた犬猫が病気になったなら、
誠心誠意、責任もって最後までお世話しようという飼い主さんがほとんどだと思います。

 

瀧沢かいるー
瀧沢かいるー

病気になったからって保健所に持ち込まれる犬猫がいるのも確かですが。

 

でも、まだ飼って間もなく、返す場所がある犬猫が、病気だってわかったら…

あえて、その子を飼い続けようと思うでしょうか?

 

里親さんはずっと猫を飼い続けていて、ご近所でも猫好きだって有名だったそうです。

 

でも、犬好き、猫好きな人が言う、「好きな犬」「好きな猫」っていうのは、
最低限健康で、可愛くて、問題のない子たちのことなんです。

 

A先生の言葉にすぐに答えられなかったわたしたちは、自分たちの「犬好き」がその程度のものだって思い知りました。

 

昔、実家で産まれた子犬が生まれつき、何かの障害を持っていたらしい子でした。

どんな障害だったのか、わたしはまだ幼稚園児だったのでわからなかったんですが、
恐らく発達障害なのか、一匹では母犬のおっぱいを吸うこともできず、
他の兄弟たちが元気に走り回れる時期になっても、立ち上がることもできませんでした。

排泄にも介助が必要だったし、目も見えていなかったようで、よくがむしゃらに走り出して物にぶつかり、
怪我をしていました。

それでも3歳まで生きることができたけど、もし、そういう子が里親募集されていて、
あえてその子を引き取ろうと思うでしょうか?

その子を世話した家族は、うちで生まれた子だし、仕方ないというような理由もあったと思います。

 

保健所の譲渡会で、
「この子気に入った!連れて帰りたい!ぜったいこの子がいい!」
と言って、チワワを気に入って下さった若いご夫婦が、
「この子は重度の膝蓋骨脱臼で、将来手術が必要になる可能性があります」
と説明を受けたとたん、手のひらを返して、やっぱいいと帰っていたことがあります。

 

病気の子は手がかかります。
お金も、時間もかかります。

 

その結果、捨てられる子がいるんです。

 

病気があって捨てられた子は、同じ理由で、なかなか里親が見つからないんです。

 

 

どっちが「正しい選択」なのかわからないけれど

わたしはのんちゃんを引き取ると決めた時、A先生の言葉を思い出しました。

 

「病気があるってわかってる犬や猫を、あえて引き取ろうと思うのか?」

 

もし、まだうちに来る前に、のんちゃんに何か病気があったり、障害があったり、
例えばCL症だとわかっても、わたしはそれでも引き取ろうと思えるだろうか。

 

瀧沢かいるー
瀧沢かいるー

幸い、そういう連絡はなく、健康そのものな子犬でした。

 

病気があるから引き取れないと見捨てるか、それとも自分の十数年を犠牲にして引き取って飼うことを覚悟するか、
その選択をせずにわたしは済みました。

 

でも、あの時一緒に先生の言葉を受けた友人の一人が、その選択をしました。

愛犬のボーダーコリーを亡くして2年たった頃、ようやく心の整理もついて、知り合いの保護犬団体から引き取る予定だった子が、
くしくも子猫と同じ「てんかん」だとわかったそうです。

友人はすぐ、あの時のA先生の言葉を思い出したそうです。

 

「どんなに犬好き、猫好きを自称してても、病気だってわかってる犬や猫をあえて引き取ろうなんて思う人、そうそういないんだよ」

 

そして友人は、そのてんかんの犬を家族として迎えました。

 

「これからすごく大変になるだろうし、家族にも迷惑かけると思う。
どっちが正しい選択かなんてわかんないけど。
どっちにしろ後悔するかもしんないけど。

わたし、犬、好きだからさ

 

そう言ってた友人を、わたしは心底尊敬しました。

 

それが2年前のことです。

先日、この時友人が家族にした「てんかん」の犬が、亡くなったそうです。

 

わたしが友人と同じ選択を迫られた時、どうするかはわからないけど、
それでも、わたしも友人と同じく、犬好きでいたいと思います。

 

 

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